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●相続の基礎知識
■相続の基礎知識
・相続とは
・死亡届
・失踪宣告
・相続分とは
・相続開始後の諸手続き
・相続承認後の諸手続き
・相続欠格、相続廃除
・法定相続人
・代襲相続
■相続の基礎知識
■遺産分割
■遺言の基礎知識
■遺言作成
■相続登記
■相続Q&A
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・相続とは

 預金債権や株式、不動産などの財産、あるいは借金などの債務、これら様々な権利義務は人に属すものであって、それ自体独立して存在しているわけではありません。ある人が死亡した場合に、その人が有していたこれらの権利義務がどこへ行くのか、その帰属先を定めるのが相続の制度です。

相続という現象自体は、ある人(以下 被相続人)が死亡した場合、その人に属していた一切の財産的権利義務が、その人の親族の中の一定の人(以下相続人)に当然に承継されることをいいます。(失踪宣告を受けた人も死亡したものとみなされますので、死亡した場合と同様に相続が開始することになります。)つまり相続それ自体は、手続きでもなんでもなく、被相続人が死亡したことによって起こるただの現象に過ぎません。また、相続の開始は、被相続人が死亡した瞬間からされ、相続人が被相続人の死亡の事実を知っていたかどうかは関係有りません。(ただし、後述する相続放棄をすることによって、始めから相続をしなかったことにすることも出来ます。)

相続関係の諸手続きとは、このような相続という現象に対し、どのように手をつけ、これらを取り巻く様々な利害関係を調整していくかという、とても重要な作業なのです。

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・死亡届の提出

 死亡の届出は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外の場合は3ヶ月以内)に、死亡届、埋葬(火葬)許可証交付申請書を役所に提出し、埋葬(火葬)許可証をもらいます。届出は365日24時間受け付けており、死亡者の本籍地または届出人の所在地、死亡地で行います。
 葬儀の手続きは葬儀社が決まっていたり、病院からの手配で行う場合は良いのですが、ご自身で手配されるときは、亡くなった方の氏名、病院名、移送先(自宅・斎場)、電話番号、連絡者の氏名、続柄を伝える必要があります。遺体を搬送する寝台車の運転は指定免許が無いと行えません。
 死亡診断書については、本籍地と現住所が異なる場合は2通必要な場合もあります。
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・失踪宣告

 失踪宣告とは、生死不明の者を民法上で死亡したものとしてみなして取り扱う制度です。利害関係人の請求により家庭裁判所が審判することによってなされます。
 失踪宣告によって失踪者は死亡したものとみなされ、配偶者関係も終了(別の人と結婚してよい)するし、相続が開始することになります。
 失踪宣告は次の場合に認められます。
(1)不在者の生死が7年間不明の時
(2)戦地に行ったり、沈没した船舶に乗船していたり、その他死亡の原因となる危難の去った後1年間不明のとき

 失踪宣告の手続きは、利害関係人(不在者の配偶者、父母、相続人)が、不在者の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てることによってします。家庭裁判所は調査を行った上で、失踪に関する届出の公示催告をします。不在者本人、利害関係人による取消し(即時抗告)がなければ、失踪宣告は確定します。
 不在者は上記(1)の場合は失踪期間満了の時、(2)の場合は危難の去った時に死亡したものとみなされ、その時点で相続が開始したことになります。
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・相続分とは

 相続開始後の流れをきちんと理解するためには、「相続分」という概念を理解する必要があります。大雑把にいって相続分とは、相続財産全体の持分のことです。被相続人の遺言や相続人間の協議によって、遺産分割がされない限り、相続財産は相続人全員(一部の相続人についてのみ、遺言で分割分が指定されている場合は、その者以外の相続人)で共有しているような状態です。
 個々の相続人は、その相続分という大まかな単位では、それを他人に譲り渡すなど、処分することは可能ですが、具体的な財産については、特に誰かに帰属しているというわけではありませんから、例えば相続分が2分の1だったとしても、預金の半分を自分の財産として勝手に引き出すことは出来ません。共有しているとは、極端なことをいえば、相続財産のうちの一円玉をも相続人全員で共有しているということであり、勝手にそれを自己のために使うことは出来ないのです。これらの相続分の割合に基づいて、具体的に個々の相続財産の帰属先を決めていく手続きが後述する遺産分割という手続きです。
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・相続開始後の諸手続き

 まず、相続開始を知った時から3か月以内に相続を承認するのか、放棄するのか決めます。承認も放棄もなにもしないままで3か月が過ぎてしまうと、当然に承認したことになります。相続財産といっても、プラス財産ばかりだけではなく、マイナス財産、すなわち借金やその他の債務、義務なども相続財産となりますので、十分に熟慮する必要があります。また、相続開始時から3か月経過していても、相続の事実を知らない限り3か月の考慮期間は開始しませんので、知らない間に相続が開始していたとして、それをあとから知っても心配することはありません。

●単純承認とは
 単純承認とは、被相続人の権利義務の一切を承継することです。
 プラス財産、マイナス財産を、各相続人の相続分の割合で、全部承継します。特に相続放棄も限定承認もしなければ単純承認となります。相続分は、遺言によって指定があれば、指定相続分として遺言者の指定どおりの割合で相続されます。遺言による指定がなければ、後述する法定相続分の割合で相続することになります。また、一部の相続人のみに相続分の指定があった場合は、残りの相続人については、指定相続分以外の相続分につき、法定相続分の割合で相続がされます。

●法定単純承認とは
 一定の場合に該当すると、相続人が単純承認したものとみなされてしまうので注意が必要です。その場合は次のとおりです。
・相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき(保存行為および民法602条に定める期間を超えない賃貸は例外)
・相続人が相続開始を知った時から3か月間限定承認も相続放棄もしなかったとき
・相続人が、限定承認または相続放棄をした後でも、相続財産の全部もしくは一部を隠匿し、消費し、または悪意でこれを財産目録中に記載しなかったとき(ただし、次順位の相続人が既に承認してしまった場合は、それを覆して法定単純承認となることはありません。)

●限定承認とは
 限定承認とは、相続によって得た財産を限度として、その中で被相続人の債務および遺贈を弁済すべきことを留保して相続を承認するものです。つまり残されたプラス財産を、債務の弁済や相続人への分配などで清算することです。
 相続財産のうち、プラス財産が多いのか、マイナス財産が多いのかわからない場合などは、限定承認をするメリットがあるといえますが、手続きに手間がかかるため、あまり一般的には活用される制度ではありません。また、相続放棄した者を除いて共同相続人の全員が一致してでなければすることができず、単純承認した者がひとりでもいれば、限定承認の手続きはできなくなります(ただし判例では、3ヶ月の考慮期間が過ぎたことにより法定単純承認となった場合に関しては、その者も含めて共同相続人全員で限定承認をすることが出来るとされるものもあります。)ので、相続人全員でよく打ち合わせした方が良いでしょう。
 全体的な手続きは複雑ですが、最初の申述の手続きを大雑把に説明すると、相続開始を知ってから3か月以内に、被相続人の住所地の家庭裁判所で、備付けの申述書に必要事項を記載して、申述人の戸籍謄本、被相続人の戸籍謄本、財産目録等を添付して提出します。家庭裁判所では申述内容を調査し、申述を相当と判断すると、限定承認の申述を受理する旨の審判をします。

●相続放棄
 相続放棄とは、相続そのものを拒否することです。相続放棄をすると、相続が開始した当初から相続人ではなかったことになります。マイナス財産の方が多い場合は相続放棄をするのが一般的です。
 相続開始を知ってから3か月以内に、被相続人の住所地の家庭裁判所に相続放棄の申述をします。家庭裁判所にある申述書の用紙に必要事項を記載し、申述人の戸籍謄本、被相続人の戸籍謄本等を添付して提出します。相続放棄申述の受理は審判によってなされ、受理証明書が交付されます。 一部の相続人が相続放棄をした場合は、最初からその者は相続人ではなかったものと考えますので、残りの相続人については、その分だけ相続分が増えることになります。ただし、遺言によって相続分の指定がされた相続人は、当然指定相続分しか相続できません。
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・相続承認後の諸手続き

 まず相続が開始し、その中で相続財産がどのように相続人に帰属していくのか、それは遺言があるかないかによって異なります。
 民法では、相続財産の帰属については被相続人の意思が最大限尊重されるようになっています。その意思を体現するのが遺言です。遺言によって、相続分を指定することもできますし、遺産分割の方法を指定することもできますので、そのような遺言があれば、それに従った相続がされることになります。遺言がなければ法定相続分どおりに相続され、それに基づいて相続人で協議して遺産分割をすることになります。
 相続分は遺産分割の基準となりますが、協議によって相続分に従わない分割をすることも可能です。ただし、極端に相続分よりも少ない分割を受けた相続人がいる場合は、その相続人の債権者を害する行為とみなされて取消の対象になる場合もあります。どうしても遺産分割協議で話し合いがつかないときは、家庭裁判所に調停・審判を申し立てて遺産分割をするのがよいでしょう。(→相続登記の種類
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・相続欠格、相続廃除

 夫婦、親子など相続人になれる者であっても、相続する権利を奪われる場合があります。法律上当然に相続資格を失うのが欠格で、被相続人の請求により家庭裁判所の審判で相続資格を奪うのが廃除です。

 相続欠格・廃除となった相続人に子がいる場合には代襲相続されます。被相続人が相続廃除した相続人の子(代襲相続権者)に対しても相続させたくないと思っても、そうすることはできません。被相続人の子を廃除したとしても、孫が代襲相続人となり、相続することになります。なお、相続放棄をした者の子には、代襲相続権はありません。

●相続欠格
 相続欠格は、相続を許すべきでないと考えられる重大な不正・非行をした者の相続権を、制裁として当然に失わせるものです。
 民法は5つの原因を挙げています。

相続欠格となる場合
(1)被相続人や相続について先順位または同順位にあるものを、故意に殺しまたは殺そうとしたために、刑に処せられた者。
(2)被相続人が殺されたことを知りながら、それを告訴・告発しなかった者。
(3)詐欺や強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をしたり、取消し・変更するのを妨げた者。
(4)詐欺や強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせたり、取消し・変更させた者。
(5)相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造したり、破棄・隠匿した者。

●相続廃除
 相続欠格ほどではないけれど、やはり相続人として非行があり、相続人になるのにふさわしくない場合に、被相続人からの申し出によって相続権を奪う制度です。

相続廃除となる場合
(1)遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき。
(2)遺留分を有する推定相続人に、その他の著しい非行があったとき。

※ 相続廃除の対象となるのは、最低限の相続分=遺留分を有する相続人(配偶者・子・父母)のみです。

 廃除を請求するには、2つの方法があり、被相続人が生前に家庭裁判所に申し立てるか、遺言で廃除請求の意思表示をし、遺言執行者が家庭裁判所に廃除を申し立てます。
 廃除するかどうかは、被相続人が勝手に決められるものではなく、家庭裁判所の審判によって決まります。
 なぜなら、兄弟姉妹など遺留分のない相続人に相続させたくなければ、全財産を他の相続人やその他遺贈したい人に遺贈すれば、目的を達成できるからです(兄弟姉妹には遺留分減殺請求権がない)。
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・法定相続人

 相続人となれるのは、親族の中でも一定の者に限られます。その親族の範囲は次のとおりです。

●相続人及び相続分
  相続人 相続分
第1順位 配偶者と子 配偶者2分の1、子2分の1
第2順位 配偶者と直系尊属 配偶者3分の2、直系尊属3分の1
第3順位 配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

●第1順位の相続  配偶者と子 (配偶者が死亡してる場合は、子のみ)
法定相続分  配偶者2分の1 子2分の1
 養子にもらった子は、実子と同じように相続人です。養子として他家に出した子でも、他の実子と同じように相続人となります(例外 特別養子縁組)。離婚した配偶者の子でも、婚姻中に生まれたのであれば、嫡出子として相続人になります。なお、胎児、非嫡出子も相続人に含まれます。

●第2順位の相続  配偶者と直系尊属(配偶者が死亡してる場合は、直系尊属のみ)
法定相続分  配偶者3分の2 直系尊属3分の1

●第3順位の相続  配偶者と兄弟姉妹(配偶者が死亡してる場合は、兄弟姉妹のみ)
法定相続分  配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1
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・代襲相続

 相続人が被相続人よりも先に死亡している場合、相続人の子(孫)が相続人となることを代襲相続といいます。また、卑属や尊属がいない場合は、兄弟姉妹が相続人となりますが、その兄弟姉妹が死亡している場合は、その子が相続人になります。
 なお、死亡に限らず、相続の欠格や廃除があった場合も、代襲原因となり、子が代襲することになります。
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相続の基礎知識株式会社設立不動産登記の基礎知識抵当権抹消について内容証明業務案内費用の目安リンク
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